今さらながら「るるぶ×HACHI」と初対面
こんにちは、西武線カレーマップです。
今回は、いつものカレー店紹介から少し離れて、レトルトカレー「るるぶ×HACHIコラボ」のお話です。
先日、たまたまご近所のスーパー「ヤオコー」のご当地商品コーナーで見かけた『るるぶ』の文字が大きく入ったレトルトカレー。私は今回の売場にて、恥ずかしながら、その存在を初めて知りました😅
調べてみると「るるぶ×HACHIコラボ」は2018年から続いているシリーズで、この時の価格は税込200円以内でした。
今回は『るるぶ』が食品になる面白さや、物価高の時代にご当地商品を楽しむ意味について、北海道チーズバターカレーを食べた感想も込みで、考えてみます。

ちょいスパ|『るるぶ』とは
『るるぶ』は、JTBパブリッシングが発行する旅行ガイドシリーズです。 名前は、旅の行動を表す「見る・食べる・遊ぶ」の語尾をつないで生まれました。1973年に若い女性を主な読者とする旅行雑誌として創刊され、 1984年には現在へ続く地域別ガイド「るるぶ情報版」の第1号『るるぶ京都』が発行されました。 現在はガイドブックに加え、Webやアプリでも旅行やおでかけの情報を発信しています。
参考:
1. JTBパブリッシング「『るるぶ』は誕生50周年を迎えます」
2. JTBパブリッシング「沿革」
北海道チーズバターカレーを食べてみる
裏面の説明通り、容器に移して電子レンジで500Wで1分30秒間、カレールーを温めます。

容器に移すと、ジャガイモととうもろこしが目に入りました。
ジャガイモは大きめのものが二つほど入っており、レトルトカレーの具材として、しっかり存在感があります。

早速、ライスと一緒に口元へ運ぶと、チーズの香りがほんのり。
中辛の表示ですが、私には辛さはほとんど感じられませんでした。
バターの風味は強くは感じませんが、カレー全体になじんでいる印象です。
コクを感じる味わいですので、ナンで食べるのも良いなと感じます。
ちなみに、公式サイトでは、チーズ、バター、牛乳を使ったソースに、乱切りのジャガイモを加えた「濃厚でまろやかなカレー」と紹介されています。
ジャガイモととうもろこし、ほのかなチーズの香りが、北海道を題材にした商品らしさを支えています。
「るるぶ」が食品になる面白さ
私が興味を持ったこと、なぜ『るるぶ』が「るるぶ×HACHI」シリーズを通じて食品業界に進出したのか、ということです。
『るるぶ』は、各地の観光名所や食文化を集め、その土地の魅力を分かりやすく伝えてきました。
また、ハチ食品は、長年培ってきたカレーづくりの技術と、商品を全国の売場へ届ける力を持っています。
「るるぶ×HACHI」では、JTBパブリッシングが地域やフレーバーの提案、パッケージデザインの監修に関わり、ハチ食品と共同で商品を開発しています。
両社が組むことで、地域の食や風景を選び、味とパッケージへ落とし込み、全国の売場へ届けるまでを一つのシリーズとして展開できます。
ちょいスパ|ハチ食品とは
ハチ食品は、1845年に大阪で薬種問屋「大和屋」として創業した食品メーカーです。 薬種の調合技術を生かし、1905年には日本で初めてカレー粉を国産化し、 「蜂カレー」として発売しました。1990年には、同社初のレトルト食品「カレー専門店のビーフカレー」を発売。 現在は、カレー粉やカレールウ、レトルトカレーをはじめ、 香辛料、パスタソース、スープなど幅広い食品を手がけています。
参考:
1. ハチ食品「企業沿革」
2. ハチ食品「企業情報」
『るるぶ』にとっては、旅行を計画する場面に加えて、スーパーや家庭の食卓にもブランドとの接点が生まれます。地域情報を編集する力を、書籍やウェブから食品へ広げる機会にもなったのでしょう。
ハチ食品にとっては、旅行ガイドを思わせるパッケージによって、商品の地域性や特徴を売場で伝えやすくなります。題材となる地域を増やすことで、継続的に商品を展開できるシリーズにも育てられます。
両社にとって、ブランドの接点と商品の広がりを同時に生み出せる、相性のよいコラボになっているようです。
一方で、消費者にとっては、普段の買い物の中で手頃な価格で各地の商品と出会い、その土地の食や旅へ関心を広げるきっかけになります。
気になった地域を次の旅行先として調べたり、現地の料理や観光情報へ目を向けたりするなど、商品との出会いが旅行・観光への入口になる可能性もあります。
地域の魅力を選び、レトルトカレーとして形にし、別の地域へ展開していく仕組みが、このコラボから生まれているのかもしれません。
ちょいスパ|地域の魅力を、どう商品へ編集するか
地域資源を生かした商品づくりでは、誰に、どのような魅力を届けるのかという コンセプトを決め、味や形、商品名、パッケージなどへ具体化していきます。たとえば、瀬戸内レモンの場合には、爽快感を打ち出すドリンク、 土産向けのお菓子、朝食に合わせるパンなど、商品によって強調する味や見せ方が変わります。一つの地域資源から、商品の用途や買う人に合わせて魅力の伝え方を組み立てる商品開発の工程を、ここでは「地域の魅力を商品へ編集する」と捉えています。
参考:
1. 中小企業基盤整備機構「地域資源を活用した売れる商品づくりサポートブック」
2. J-Net21「知って得する商品開発(商品開発プロセス)」
物価高の時代に、手軽に楽しむ小さな旅
「るるぶ×HACHI」シリーズが始まったのは2018年。
それから8年以上経過しましたが、旅行を取り巻く環境は大きく変わりました。
当時はまだデフレマインドも残っていた時期でしたが、近年の日本は継続的な物価上昇を実感する局面に移っています。
総務省が発表した2026年6月の消費者物価指数は、2020年を100とした総合指数が113.6となり、前年同月比でも1.7%上昇しています。
JTBの2026年の旅行動向見通しでは、国内旅行者数は前年の97.8%、1人当たりの平均旅行費用は前年の102.9%と予測されています。
夏休みの旅行についても、国内旅行者数は前年の95.6%、平均予定費用は前年の103.2%となる見込みです。
旅行者数が減少する一方で、一人当たりの費用は上昇しており、旅行を楽しむ際にも費用負担を意識する状況がうかがえます。
こうした中で、旅行ガイドを思わせる「るるぶ×HACHI」シリーズの箱が手頃な価格で並んでいれば、普段の買い物のついでに試してみようという気持ちになるかもしれません。
その中から一つを選び、箱に描かれた風景や食べ物を眺めていると、今度はその土地そのものが気になってきます。
どんな料理があるのか。どんな場所なのか。
旅行ガイドを思わせる箱を眺めているうちに、その土地への興味が少しずつ広がっていきます。
「食卓で旅行気分を味わえる」という言葉には、そんな買い物から始まる心の流れも含まれているように感じます。
一箱から広がった、地域との接点
スーパーで偶然見つけた「るるぶ×HACHI」シリーズ。
何気なく手に取った一箱から、旅行ガイドが食品になる面白さ、地域の魅力を商品へ落とし込む工夫、そして物価高の時代に旅を身近に感じる方法へと、思いは予想以上に大きく広がりました。
普段の買い物で出会った商品にも、その土地や企業、人のアイデアへつながる物語が詰まっているようです。
「るるぶ×HACHI」シリーズからは、2026年3月に「名古屋 味噌煮込みビーフカレー」「徳島 阿波尾鶏のトマトバターカレー」「沖縄 石垣宮古 美ら海甘旨カレー」の3商品が登場しました。
名古屋、徳島、沖縄という三つの地域が、それぞれどのような味とパッケージで表現されているのか。
後日、この3種類を実際に食べ比べをしてみようかと思います。
参考文献
[1] JTBパブリッシング『「るるぶ」×Hachi コラボカレーシリーズ “食卓で旅行気分を味わえる”ご当地カレー』
[2] JTBパブリッシング『新「るるぶ×Hachiコラボカレーシリーズ」“食卓で旅行気分を味わえる”』
[3] JTBパブリッシング『「るるぶ」×Hachiコラボカレー フレーバー案出し・パッケージデザインの監修』
[4] 総務省統計局『2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年6月分』
[5] JTB『2026年(1月~12月)の旅行動向見通し』
[6] JTB『2026年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向』
[7] 中小企業基盤整備機構『地域資源を活用した売れる商品づくりサポートブック』
[8] ハチ食品『旅行情報誌「るるぶ」×老舗カレーメーカー「ハチ食品」新作コラボカレー3品を3月に新発売!』
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